福岡の六本松に、「ひいらぎ」という日本で一番好きな喫茶店があります。
雰囲気も珈琲も、そしてマスターの話も抜群なお店。
何度かこのブログにも書いています。
福岡近辺で予定があれば、頑張って足を伸ばして行くようにしています。
先日の柳川出張でも帰りに寄ってきました。
お店についてすぐに、珈琲を頼み、マスターのキレのいい動きを楽しみながら、淹れたての珈琲を飲む。
ここの珈琲はスッキリしていて飲みやすい。チーズケーキもセットで頼んで、なくなるのがもったいないと思いながら、小さく刻みながら、口に運んでいく。水も心地よく冷えていて、美味しい。
ふと、気になっていた質問をマスターにしました。
「もう何度もここに来ているのですが、どうしてまた来たくなるんですかね?」
少し笑いながら、真面目にしっかりと答えてくれました。
「全体の雰囲気の一体感が大事。置いてある花も草も、それらを生ける器もその季節に合わせて変えています。
コーヒーカップも和物、洋物のどちらかに偏りすぎないようにバランスよく置いている。和洋折衷で、一つ一つがうまく調和するように考えています。
コーヒを淹れるときは、目の前のお客さんが何を求めているかを考えながら。濃い目がいいのか、普通が良いのか、薄めが良いのか。その人に合わせて、一杯一杯お出しするようにしています。」
一つ一つの花や器を指を移しながら、丁寧に話してくれました。
海外の方が来たときも、「Strong? Regular? Soft?」と短い単語で聞いて、なるべく相手の人に会うようにだしているとか。
和洋折衷。久しぶりに聞いたのですが、いい言葉だな、と。
和と洋の融合。どちらかに偏るのではなく、うまく調和させる。
これは自分たちのメディアでも言えるものかと。
「和」だけのプロダクトよりも、どこか「洋」も含めた時代性を反映させた何かのほうが受け手のパイが広がる気がします。
また受け手の事をとにかく考える。というのは、商売をする上で一番大事なこと。
あらゆる物事は、受け手がいて成り立っているわけで、その一人ひとりが満足することの延長上に、自分の色を乗せられるものだと思います。
お店を出る頃には、頭の中が随分とクリアになりました。また福岡に行く際に、行きます。5年後、10年後も行きたいお店です。
.