「青木くんは、もっと日本の文化を知ったほうがいい。
それこそ同世代の誰よりも知って語れないと、日本を本当の意味で発信できないんじゃない?」
去年の8月、サンフランシスコで小林清剛さんにそう言われたことが、今も頭に残っている。
そんなことはわかっていつつも、時間がないと言い訳してできていなかった。
そんな時に、ジブリの鈴木敏夫さんの書の本を見て、「これだ!」と思った。
鈴木さんは書を日常的に取り入れていて、鈴木さんの字が、この人の人生や生き方を表しているような様を感じたから。
きっとこれくらい書けるようになったら、さぞ楽しいだろうし、見えるものが広がる気がした。
本を読んで、すぐに友人の書家である小杉卓さんに連絡して、教えを請うことにした。
彼は書家として、日本とフランスを拠点に活動している。同世代で、書を学ぶとしたら彼以外いないと思った。
最近感動した小杉さんの投稿。フランスでマツダの新舎とコラボ。魂が伝わっていくような書、写真。
そして、ちょうど今日事務所で教えてもらった。
随分と久しぶりに筆を握ったのだが、これがすごい難しい。
時期的なこともあり、「立春」という文字をとにかく書くことになった。
一枚ごとに赤文字で手直しをされて、修正を加えていく。
集中力の度合いと、意識が字に出るのが面白い。
姿勢だったり、呼吸だったりも大きく影響する。
1つの指摘をうけると、その指摘されたところは上手くいっても、前の良さからは外れてしまう。
最後に書いた一枚。
まだまだのっぺりしていたり、春の横一文字のバランスが悪かったり、払いが甘かったりするのだが、最初書いたものよりかはうまくなった気がする。
今回学んだことは、余白という概念、リズム(トン・スー・トン)、物事を俯瞰すること、イマココに集中することなど。
ひとまず月2でレッスンを受けて、少しずつ自分の日常に取り入れていきたい。
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