8月前半、星野グルメスキークラブ(HGSG)でアルゼンチン旅行に行ってきました。昨年のNZに続き、今年は南米です。
星野リゾートの星野さん、ほしのやマーケの小林さん、雪番長の塚田さん、HOTEL SHEの龍崎さん、自分というメンバー。
片道30時間の距離で、往復の移動を合わせると約2週間。この間に地球一周くらい移動して、スノボをして、ハイキングして、氷河トレッキングして、事業の話をしてという貴重な時間でした。信じられないくらい移動に疲れましたが、いやーーー行ってよかったです。
今後アルゼンチン旅行に行く予定がある人に向けて、自分の思考の整理もかねて書き連ねていきます。
ブエノスアイレス1日⇛ラスレニアス4日⇛パタゴニア3日⇛ブエノスアイレス2日というルートで回りました。Google Mapで自分が行った場所の周辺を見回していたら、こんなところまで行ってたのか…と途方も無い気分になりました。いつか南極に行きたい。
スキーリゾート ラスレニアス
ブエノスアイレスに到着した次の日、スキーリゾートのラスレニアスへ向かいました。
ラスレニアスは、1日じゃ周り切れないくらい壮大で、とにかく圧倒される景色が続いていました。ほんとここから登って滑るの?というような雪山を、不安定なリフトでどんどん登っていく。この景色を見ながらのスノボはとにかく気持ちが良かったです。
スノーボードは今回で10回目ぐらいだったのですが、雪番長の塚田さんのコーチのおかげで一段上達しました。スノーボードを日本の持ってきた雪のスペシャリスト。
膝を落とし、上半身を使ってターンをするコツがわかりました。今までどんな受けた説明よりもわかりやすく、身になりました。身体感覚を言語化してくれて、扱いやすくなったというか。
今回のスノボで良かったことの一つは、日本の雪の良さに改めて気づけたこと。雪質や雪量は断然日本のほうが良くて、コンパクトにまとまっている。日本のスノーアクティビティが世界で人気な理由を、身を持って知ることは大きな収穫でした。
今年の冬はいつも以上に滑りに行きたいと思います。妙高も、アルツ磐梯も猫魔も行きます。
パタゴニア パイネ国立公園
ラスレニアスの後は、メンドーサに行き、ブエノスアイレスにトランジットで立ち寄り、エル・カラファテへ。
パタゴニアのパイネ国立公園でのハイキングも最高でした。フィッツロイを見ながら、氷河を横目に見ながら、凍った湖を歩きながら周りました。
ガイドのロバートさんは超博識。経済学から歴史、地理、生物学まで幅広く知って、語ってくれました。
フィッツロイはパタゴニアのロゴの元になった山。なかなか晴れて見える日も少ないようで、運が良かったです。
湖に岩山があったので、登って撮った1枚。こんなところ登っている人をみたのは初めてだよ、とガイドに言われました。好奇心大事。
ペリト・モレノ氷河トレッキング
終盤戦はパタゴニアで氷河トレッキング。氷河が近づくにつれて「すごい」という言葉しか発しなくなっていました。
氷河200km以上続いていて、奥の方はほぼ毎日雪が降っているらしい。とにかく広大で、壮大で、自分が見ている景色が信じられなかったです。この写真を見ても同じ感情になります。
今、目の前で見えている氷河は100年前のもの。毎日氷河は2m移動して、溶けて崩れ落ち、なくなっていく。残念ながら、氷河が崩れ落ちる様子は見れなかったです。
氷河トレッキングは、靴裏に鉄のスパイクをつけて、転ばないように歩いていきます。
氷河の水はミネラルが0%の水で、すっと入る不思議な味がしました。日本に持って帰りたいくらい美味しかったです。
マイナス近い水溜まりに手を入れて、寒さに耐えながら、何度も飲みました。
氷河トレッキングの終盤は、氷河の氷と水で割ったウィスキーが出されました。その土地、その瞬間だからこそのコンテンツはやはり強い。
日本も自然にあふれているので、似たようなフォーマットで真似できるはず。
ブエノスアイレス観光
ブエノスアイレスは行きと帰りで3日ほど滞在。治安が悪いと聞いて用心していたのですが、なんともなかったです。元々スペイン領だったので、街並みはヨーロッパの景色そのものでした。
カラフルな街、カミニート。昔、船乗りの人間が船で余ったペンキを塗っていって、この町並みができたとのこと。
ブエノスアイレスの朝市も印象的でした。アジアでよくある同じ商品がただ並べられているのではなく、一つ一つのお店に意志が感じられたのが良かった。毎週日曜日にやっているらしく、日本の作り手のストリートマーケットみたいなのがあっても良いと感じました。
ブエノスアイレスの本屋「エル・アテネオ」が素敵でした。世界で2番目に美しい本屋らしく、もともとはオペラ座だったとのこと。日本も昔からの由緒ある建築物と、世界の共通トピックスを組み合わせるのはまだまだ真似できる気がする。
毎年40%以上インフレが起きていて、多くの商品に30%引きのシールが貼ってある光景が異様。
ブエノスアイレスは、スペイン語で「いい風」を意味します。そのモニュメント。かなりでかい。
中長期滞在と食事のバラエティは重要
食事は、とにかく肉を食べました。噂通り、肉はうまかったです。野菜は少なくて、朝はフルーツづくし。1年分のフルーツをこの旅で食べた気がします。
ただ、食のバリエーションが少なかったのが個人的に一番辛く、日本の食の豊かさを実感しました。中長期滞在にやはり食のバリエーションは重要だなーと感じました。やはり同じものばかり食べると飽きる。納豆とか発酵系の食を体が欲していました。
An Unintended Trip
An Unintended Tripとは、意図的ではない旅行。
普段は自分が旅の計画を立てて行くことのほうが多いのですが、今回は星野さんの要望をベースに、現地のツアー会社を使って、宿と移動とガイドのアレンジをしてもらって周りました。
なかなか良い金額をしたのですが、新しい旅の楽しみ方に触れることができたのがよかったです。流れるままに身を任し、敢えてあまり詳しい旅程を見ずに各地へ移動しました。
まず、移動のストレスが無いのが素晴らしかったです。特定の時間にいけばバン的な大きめの車が送迎をしてくれ、移動のトラブルもない。チケットも事前に発券されていて、空港でのチェックインの必要もない。宿もセンスのいいところを予約してくれて、アクティビティガイドの質もとても良かったです。
ちなみにBUNNNO TRAVELという日系の会社にお世話になりました。アルゼンチン含む南米旅行を考えている方は是非。担当してくれた古畑さんはスノーボーダーで、肉を決め手にアルゼンチン移住を決めたらしい。
メンバーがとにかく面白かったです
メンバーがとにかく面白かったです。20代から50代で構成される5名で、良い距離感と旅ができました。全く気疲れしなかったです。
5人とも観光に携わる人達だったので、24時間、いい意味で公私混合。これうちでもやりたいだったり、ここのオペレーションはこうしたら良くなるねだったりと、一つ一つの対話がいいインプットになっていました。公にはできないメモが沢山あります。
また、今回の旅の中でMATCHAでやりたい事業案が浮かび、それを星野さんを筆頭に観光のプロで議論し、醸成させていった時間は個人的にとにかく贅沢でした。いい事業案なので、実現に向けて頑張ります。
新しい色に触れた旅
だいぶ長くなってしまったのですが、最後に。
今回の旅を一言でいうと、いろんな色に触れた旅行とも言えます。
エル・カラファテの燃えるような朝日も、ぞっとするくらい恐ろしく美しい氷河の青も、ブエノスアイレスのカラフルな町並みも、初めて触れた色でした。新しい色に触れることができた分、日本の色にも気づきやすくなる。
観光の仕事は、自分の人生で受けた影響が大きく投影されるもので、だからこそ面白いです。もっともっと日本を知り、世界に届けたい思いも強くなりました。
ここ3年、毎年8月は10日ほど日本を離れているのですが、これからも続けたいです。
2年前はメキシコで、去年はニュージーランド、今年はアルゼンチン。
来年はどこに行こう。