出張が多い。おかげさまで月3~4回ぐらい、都内を離れる機会がある。
出張に行く際に、その街に繰り返し行きたい場所があると、その街の見え方というのが随分変わる。
先日福岡に行った際に、ひいらぎという喫茶店に行った。
ここは日本で一番好きな喫茶店。東京にいてふと行きたくなるし、九州の仕事ができたら、わざわざ福岡経由で帰るくらい好き。
一回目に行った時に取った1枚
ひいらぎが好きなのは、250近くのコーヒーカップが並んでいて、好きなものを選べること。その一つ一つに店主のこだわりがあること。
動きが手品みたいに軽やかで、見ていて楽しい。コーヒーも水みたいにスッキリしているのに、飲んだあとはずっと香りが口の中に広がる。
心地よい時間だった。
極めつけは、2回目に行ったときのこと。
佐賀での仕事の後、ふと行きたくなり、福岡経由で帰った。
お会計をした際に、「お客さん、前に来たことありますよね?」と言われた。
「え?」と言っていると
「その時、この席に座っていて、確かこのコーヒーカップを飲みましたよね。」とカップを並べられたのだ。
その時だしてもらったカップ。
背筋がゾワッとするような感覚に見合われた。
1年ほど前にも福岡の柳川市の時に行き、先日も行ってきたのだが、とてもいい時間を過ごすことができた。
今回はこのカップを頼んだ。ぱっと目に入って、これでいいかなと。フランス製らしい。
焦げすぎた豆や乾燥しすぎている豆を手で分けていた。そういったものが混じっていると、味が壊れるらしい。
今回来たときも、「青木さんですよね?」と名前を覚えてくれていて、前に頼んだカップを3つ出してくれた。
今回頭に残ったことをいくつか。
まず、水が美味しい。
程よく冷えた水を、いいタイミングで注いでくれる。
聞いてみると福岡の水道水らしいのだが、これがとてもコーヒーと合う。
水を飲む度に、その分コーヒーが美味しく感じるのは不思議。
福岡にあるからこその店作りってあったんですか?と聞いた所、それに対して返事はなく、
「他の人がやらないこだわりをやっているだけ。」と言っていたのが印象深かった。
博多駅からも歩いて20分位かかるし、値段も一杯1000円近くする。
でも、自分はひいらぎにしかない体験があるからこそ、ここにまた行きたくなるんだと思う。
マスターは、元々は京都出身でお茶を作っていた家の出らしい。
それもあり、4歳ぐらいからお茶を点てていた。
「コーヒーを淹れる」という言葉ではなく、「コーヒーを点てる。」と言っていたのが面白かった。
今年5月から1年半ほど、ビルの耐震工事で一時移転するとのこと。
仮移転のときも、行けたらいいなぁ。毎回行く度に、新しい発見があるのが好き。
福岡に行くことがあれば、ぜひ行ってもらいたいです。
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