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出来事をどう数えるか。
単位とは、 物事に一定の尺度をもうけることです。
単位はとても便利で、私の足とそれに適した靴を教えてくれます。
必要に見合った、ちょうどいい睡眠時間を示してくれます。では、直径10センチのコーヒーカップの口と、直径10センチの水たまり、2つは同じ10センチという尺度によって繋がっている、と言えるのでしょうか。 7人の画家と7つの街、と言えば、7を介して人と場所がそれぞれに関係しているように聞こえます。しかし実際には全く別々の話かもしれません。
今回の私の展覧会で考えたいこと、それは、出来事をどう数えるか。どんな単位で輪郭のない出来事というものを捉えたらいいのか。という疑問から始まります。
仮に半日の制作時間、12をきっかけに様々な単位を集め、揃えてみました。ばらばらの単位が揃えられた数字で関係を持ったかのように見えます。
朝から夜までの12時間をかけて、スタジオに迷い込んだ12匹の小さな昆虫の死骸を琥珀に似せた立体作品にしました。さらに、その過程で撮影した制作風景 の写真と立体物をあわせ、合計12個のオブジェクトで展覧会を構成しています。そして、青山目黒ギャラリーでの、12日間のみの開催としました。
朝、スタジオの中に迷い込んで落ちた、小さな昆虫を発見するように、物と物の間、立体と写真との間、別々の単位の間を、観て頂き、出来事をどう数えるかについて考えて頂けたらと思います。
磯谷
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ロンドンでお会いした磯谷博史さんの展覧会に遊びに行ってきた。場所は青山目黒ギャラリー。久しぶりに磯谷さんとお話できて楽しかったのと、作品に込められている意図がとても興味深かった。なんだかんだで、30分以上あの空間の中にいた。”出来事をどう数えるか”、ロンドンの時と同じく、また一つ、面白い、新しい視点を頂いた。まだあまり頭の中で整理しきれていないなくて、もやもやしているけれど。笑
23日まで開催しているそうなので、興味がある方はふらっと立ち寄ってみてはいかがだろう。ポートフォリオサイトがとってもかっこいいので、こちらも良かったらどうぞ。
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磯谷博史個展「出来事をどう数えるか」
2012年 4月12日(木)~4月23日(月)
青山目黒ギャラリー
http://aoyamahideki.com/gallery-information
目黒区上目黒 2-30-6
11時~19時 オープン
期間中毎日開廊 無料
14日(土)15~20時、ささやかなオープニングパーティー。
21日(土)15~19時、ささやかなクロージングパーティー。
磯谷博史(いそや ひろふみ)
東京芸大で建築、同大学大学院とロンドン大学ゴールドスミスカレッジ大学院で美術を学ぶ。1978年生まれ、東京とロンドンで活動。秋に、Kay Saatchi、Catriona Warren、Robert Dingleキュレーションによるグループショウをロンドンで予定。