鳩ノ巣渓谷
鳩ノ巣渓谷の橋
こんな道ばかり。
大岩山
ほぼ山頂からの景色
あけましておめでとうございます。
2019年も、よろしくおねがいします。
2019年の年始は、鳩ノ巣渓谷、奥多摩に行きました。6年連続です。
東京だけど、東京じゃないあの感じがきっと好きなんだと思います。
例年の通り、スマホの電源を切り、ネットを一切遮断した時間を過ごしました。
奥多摩も好きなのですが、鳩ノ巣渓谷の方が好きです。
エメラルドグリーンの川の横に、大きくそそり立つ山を見ながら散歩するのが心地よい。
渓谷の高低差で、山がより立体的に感じられるのもいいです。
橋を渡り、鳩ノ巣渓谷の遊歩道を歩いている時に、ふと道なき山を登りたくなりました。
1人で旅をしていると、たまに、衝動的に普段しない選択をしたくなるアレです。
バックパッカーな人は、よく知ってるはず。
よし登るかと腹を決め、少しひと目を気にして、遊歩道を左にはずれて、山に登って行きました。
当然、整備されている道もなく、人が通った形跡もないです。
進めば進む分、息が上がっていき、木の枝が目の前を塞いでいきます。
20~30分ほど登っていくと、自分が登り始めた場所が見えなくなりました。
それと同時ぐらいに、全く進む道がない場所にぶつかります。
目の前は高い岩で、両隣には木の枝が幾重にも重なり、前へ進めない。
無理だ、もう戻ろうかな、と何度も引き返そうだと思ったのですが、ここで諦めるのは負けた気がしました。
広く周りを見渡して、手頃な頑丈な棒を見つけて、棒で枝をかき分けて、複数の枝を掴んで、全身を使って登り、前へ進んでいきました。
そうやって腹を決めて、厳しい道を進むと、意外と道が拓けて進めるものです。
諦めかけていたのですが、なんとか乗り越えることができました。
そして、枝をかき分けて、全身を使って山を登っていくと、どんどん服が汚れていくんですよね。
長めのジャケットを着ていた自分は、そのジャケットが汚れていくのに気になっていきます。
もう脱ごう、となって、その長いジャケットを小さく畳んで、バックにねじ込みました。マフラーも入れました。
すると、体が軽くなって、面白いくらい前へ進むようになっていく。
気にしていた身なりも、不思議と気にならなくなっていきました。
1時間ほど登っていくと、100m先ぐらいに方に大きな岩が見えてきました。
ちょうど時間も4時を超えたぐらいだったので、あの岩まで行って降りようと思って、なんとか岩にたどり着くと、その岩の何倍も大きい岩山が見えてくる。
人って面白いもので、目標を達成した時に、また新しい目標が見えると、そこまで行きたくなります。
さてその大岩山まで行こうかなと思った時、動物の糞が近くに散らばっているのが目に入ります。
土や草がくっついてたので、多分そうでしょう。少し湿っていたので、そんな時間も経っていない。
奥多摩は猿が出ると言っていたので、きっと猿の糞だな、と持っている棒でつつきました。
山で1人の時に猿に出くわしたくないなぁ、と思いながら、大岩山まで登りました。
岩が増えていたので、木の枝に囲まれている道よりもだいぶ歩きやすくなっていました。
頑張って大岩山まで登って、そこから見た景色が綺麗でした。
山頂に近かったので山に夕日があたり、街を見ることができました。
そろそろ降りようかな、と思った所、後ろから「キー」という動物の声が聞こえました。
きっと、猿です。日も暮れかけていて、猿に出くわすのも、真っ暗の中で降りるのは嫌だったので、急いで降りました。
下りは下りで暗くなって、視界がどんどん悪くなるわ、滑るわ、砂だらけになるわで大変で、なかなかスリリングで楽しかったです。
直線で降りるよりも、視野を広げて、横移動しながら動いたほうがスムーズに降りれる等、発見が多かったです。
降りた頃にはまっくらやみで、これまたいい景色でした。こんな色の空。
砂だらけのジーンズのまま、奥多摩の温泉に行き、近くの宿に泊まりました。
完全な思いつきの行動だったのですが、自分の人生に照らし合わせながら登ることができて面白かったです。
なんでこんな話を書いたかと言うと、普通の道を通るよりも、道なき道を選んだ方が気づきが多くて面白いな、ということに改めて気づけたから。
今回は山で、上りも下りもなかなかハードでしたが。
無理だと思っても、視野を広げて全力を出せば、大抵の道は進むことができること。
身を軽くしたほうが、前に進みやすいこと。
目標を達成すると、また魅力的な目標が出てくること。
ときには横道に行き、遠回りしたほうが、早く楽に着くこと。
道がないような道を行くことは、意外と人生に通じることが多い。
そんなことを、今の自分の人生に重ねながら登りました。
ものごとは思っているよりもシンプルで、原理原則があって、困難は起きるけど、どれも自分次第で解決可能だったりします。
そして、そう考えて生きて、前に進むほうが面白い。
今年は、平成も最後で、20代最後の年です。
今まで色んな道を通って歩いて、たまに迷子になったりしますが、今年は今までにない道なき道を選ぶような一年にしたいと思います。
※遅い時間の舗装されていない山登りは気をつけてください。熊に出くわす可能性もあります。
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