笑っているのが、フィリピンらしい。
家ごとぶん殴られたような激しく重い揺れ。シェアハウスの2階で寝ていた僕は、その強い揺れで目を覚ました。時間は朝8時。仰向けで寝ていた僕は立ち上がって下に降りようか、様子が落ち着いてから下に降りようか、いくつかの選択肢を頭に過ぎらせながら、上手く動けずにいた。久しぶりに死を意識した。
少し揺れが落ち着き、一階に下りてくると森本さんが少し慌てていた。「フィリピン人がみんな家の前に集まっているよ!」その言葉を聞き、家を出てみる。森本さんの言葉の通り、多くのフィリピン人が道路に出てきていた。パニクっているとおもいきや、意外と笑って楽しでいて、少し気が和らいだ。
電気も切れて、インターネットも繋がらなくなった。持っていたスマフォはネットが見れたので、すぐにTwitterで「地震」と検索をかけてみると、みるみるうちに「セブで地震が起きた。」という類のつぶやきがTLを埋め尽くしていった。何人かからTwitterやFacebookから「大丈夫か?」との連絡をもらった。
目の前の現実とTwitterのTLをみて、311の大震災の記憶が蘇ってきた。ただどうすることもできないので、シェアハウスの一階で待機をし、情報収集を続けた。1時間もしないうちに電気が戻り、インターネットの回線も復活した。
どうやらセブ島の隣の島のボホール島が震源地のようだった。マグニチュードはM7.2。かなり強い。シェアハウスの森本さんが記事にくわしく書いてあるが、屋根が落ちていたり、マニラの歴史的建造物が壊れるなどの事態になっていた。死者も100人を超える数が出ていた。フィリピンの家は耐震設計になっていないので、家によっては倒壊したところもあるという。先日歩いた路地裏に住んでいた人達が心配になった。
ITパーク
アヤラ
ボホール島の教会
この日はボホールでダイビングを検討していたので、もしかしたら、と思うと身震いがした。余震は一日中、深夜まで続いていた。マリオットホテルのロビーで日中を過ごしたのだが、揺れる度日中韓以外の人たちは立ち上がり、どよめいていく様子が印象的だった。
フィリピンは地震が起きない国と言われていたが、現実は違う。悲観的になる必要はないけれど、この場所は絶対に大丈夫だということはないんだと思う。もしかしたら、僕達が認識している「地震」の概念の想像を遥かに上回るようなものが、これから出てくるかもしれない。
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