2月1日の夜から、4日のお昼まで、和歌山県新宮の共育学舎という小学校の廃校に滞在していました。新宮は、陸の孤島とよばれている熊野の更に先。その新宮駅から、車で40分かかる場所なので、さらに先。ちなみに新宮駅までは、伊勢から5時間ほどかかります。共育学舎はちきりんさんや、phaさんも滞在した場所で、先日のphaさんの「田舎はオープンワールドRPGみたいだった」で、知ってる人も少なくないんじゃないかと思います。
招いてくれたのは、田斉省吾君。彼は早稲田大学を2年が終わった時に休学し、昨年4月からここに移り住んでいる。現地のNPO、山の学校に学生インターンとして参加し、農業をしながらも、翔学米という事業を推進。翔学米とは、余った分のお米を翔学米とし、お金に変え、そのお金を使って地域の中高生の海外進出支援に充てるというもの。中高生に、10万円で旅のプランを考えてもらい、いいプランが出た人に、渡航費を全額援助する。
「熊野川翔学米」田斉君が運営しているサイト。
その一環で、中高生に対して旅の話をしてほしい、との依頼があり、今回新宮に行きました。僕は「人生でやりたい100のリスト」というものを持っているのですが、そこに「熊野古道に行く」というものがあり、その項目を作った翌週に彼から連絡があり、「すげーいいタイミング。面白そうだし、熊野古道に行くチャンスだ。」と思っていくことにしました。
当日のプレゼンの様子
僕がお話したことは、ここに書いてあることを軸に、世界一周した話し、帰国後やったこと、今後やって行きたいことを軸に、お話しました。50分ほどプレゼンをし、残り1時間半は質問を含めたフリートーク。
中高生は8人、大人19人と、当初と想定外のことが起こりながらも、楽しく話をすることが出来ました。僕が旅を経て言いたいのは、「人生は日本だけじゃない」「原体験にこそ価値がある」その2つで、どこかぼくの話がきっかけに、海外に飛び出すことにつながったら、とても嬉しいです。
共育学舎の廊下
ピザも、自分たちで作っていく。旨い。
鹿肉の燻製。初めて食べたけど、めちゃくちゃ旨かった。
団欒
「共育学舎」という場
「日本のスラムを作りたい。」共育学舎の代表をされている、教育学者の三枝さんのお話がとても面白かった。三枝さんは、10年以上あの土地に住み、自給自足をし、パン屋工房を営んでいる。
共育学舎では、寝食が無料で出来る代わりに、自分たちで農作物を作り、それを料理して食べていく。鹿や猪を自分らで取り、食べることも。スラムとは、全てダメになっても、お金が無くなっても、最後に行きつける場所。それを日本に作りたいと言っていました。
共育学舎という一つの場が、あの場所にいる人が、人を引き寄せている、4日間の滞在でそう感じました。結局、僕も引き寄せられたし、田斉君も、ちきりんさんも、phaさんも、他の方々もそう。
なにより、あの場には、多様性がありました。Webデザイナーのしみさん、大工の直樹さん、山の学校の柴田さん、新宮市議員の並河さん、3年前に移住してきたという佐々木さん。そして三枝さん。全員、新宮出身じゃない。でも、一人ひとりが新宮という地に根を張って、前に前に進んでいく。そして、人を受け入れていくことによって、新たな価値をそこに入れ、進化していく。
共育学舎にいた人たちは、3年の人もいれば、2年の人も。1週間、2週間という人も少なくなかったです。中には、弟とフィリピンで会った、という人もいたりして、世界狭いなーってなったりして。笑
「スラム」と三枝さん言っていたけど、今後の地域のコミュニティーの可能性が、あの共育学舎という場にはあるんじゃないかと思いました。以前から、世の中を変えていくのは、「よそ者、若者、変わり者」と言います。そんな人達が集まっている、共育学舎はそんな場でした。
並河さん、田斉君、なおきさん曰く、去年の1年間は激変の一年だったらしいです。町おこし、地域活性、色んな言葉が巷であふれているけど、僕は共育学舎という場にいって、その言葉の意味が少し変わりました。都会にいたら絶対に体験出来ないことがここにはあるし、面白いことが、見れるかもしれません。共育学舎に興味が有る方がいたら、下記関連リンクから見てみてください。
今回は時間の関係で、農業や狩猟できなかったのが残念でした。次回行くときは、1、2週間くらい行こうと思います。いつになるだろう。
明日、田斉省吾くんのインタビューをアップします。早稲田を休学し、新宮に飛び出してきた、若き仕掛け人です。
関連リンク
NPO 共育学舎
NPO 山の学校
並河哲次さん「てつじぃの日記」
phaさん「田舎はオープンワールドRPGみたいだった」
ちきりんさん「日本の地方と若者の政治参加を考える特別連作エントリ」
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